20年以上に渡って断続的に製作され、2002年に完結した国民的ドラマの、1981年開始の原点となる連続TVドラマ作品。    東京に暮らしていた黒板一家だったが、妻・令子の浮気がきっかけで夫婦は別れ、夫・五郎は令子の反対を押し切って純と蛍、2人の子どもを連れて、若い頃に自身が逃げ出した北海道の富良野へと移住する。子どもたちにとって全身で感じる大自然と、都会に比べてあまりにも不自由なそれに対する反感、それに伴う父と子の葛藤、令子の子どもたちへの思い、そして彼らを取り巻く人々自身の人生のドラマ。自然は必ずしも優しく人間を受け入れてくれるわけではなく、人間も必ずしも正しく美しく生きられるわけではない。それでも強くたくましく、時には滑稽でさえありながらも生き続けていく姿を描ききった、TVドラマ史上に残る傑作。(田中 元)











   ロンドン郊外の中等学校に赴任してきた美術教師シーバ。美しい彼女に目を奪われた同校の歴史の教師バーバラ。厳格な教育と歯に衣着せぬ物言いで、生徒と同僚から煙たがられていた孤独な老女バーバラは、シーバに接近する。一方、シーバは年の離れた夫とふたりの子供の母親でもあった。しかし、幸せなはずなのにどこか満たされない気持ちを抱えていた彼女は、自分に近づいてきた男子生徒と深い関係になってしまう。その情事を目撃したバーバラは、彼女の秘密をちらつかせながら、シーバとの関係を深いものにしようとする…。    孤独な独身老女の歪んだ友情をジュディ・デンチが凄味ある演技で見せる。心を許した親友とは一心同体のような関係を結びたい彼女は、シーバを束縛する。握った秘密を暴露すると脅しながら、シーバを縛りつけようとするバーバラの憐れなこと。下手な役者が演じたらB級サスペンスになってしまうところを、デンチはバーバラの心の闇をスクリーンに注いでいく。彼女の怖さがジワジワと物語を覆っていくプロセスは背筋が凍るようだ。ケイト・ブランシェットは、心の隙をバーバラに見抜かれ、グイグイ入り込んでいく彼女にとまどい、動揺し、精神が壊れそうになるシーバをデンチに引けをとらない名演。ふたりがこの作品でアカデミー賞の主演と助演でそれぞれ候補になったのも納得だ。監督は『アイリス』のリチャード・エアー。(斎藤 香)